RF収録

ドルフィンシステムが行っている収録用ストレージの選別方法

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ドルフィンシステムが行っている収録用ストレージの選別方法

ドルフィンシステムではRFレコーダー・キャプチャー&プレイバックシステム製品をリリースするにあたり、正しく収録できる環境を構築することに時間と労力を費やしました。

RF収録を行うに当たり重要なデバイスはストレージ、特に最近性能向上と低価格化が著しいSSDです。
SSDはシリコンにデータを読み書きするため、HDDと違い可動部分がなく安全で高速と認識されています。また逆にSSDで連続書き込みを行うと途中でレートが落ちたり、高速なレートが維持できないという話もちらほらと聞かれます。

ドルフィンシステムでは心配なく快適で安全な収録を行うために、市販されている主なSSDを買い集め、それらに一般的なベンチマークを超えて独自のベンチマークプログラムを開発し、RFレコーダー・キャプチャーの収録デバイスとして使用可能なSSDを選定しています。

一般的にSSD等のベンチマークではCrystal Disk MarkやATTO DiskBenchなどのツールが使われ、製品紹介やレビューなどで製品の良し悪し判断材料として使われています。
指標としては有用なものですが、RFレコーダー・キャプチャーのストレージを選ぶ指標としては不十分です。

一般的なベンチマークソフトの問題点

■数ギガバイトしか書き込みを行わない

安全で安定的な収録を実現するためには、ストレージ全域にわたってベンチマークを取得して判断することが重要です。

ベンチマークソフトはある一定の容量のファイルを読み書きし、その経過時間から転送レート(MB/sec)を逆算します。読み書きする容量は通常数十M~数ギガバイト程度が設定されています。

RF収録を行うとストレージに1分程度の時間を収録するだけで数ギガバイトに達してしまいます。1分程度の書き込みレートを見てRF収録に使用できると断言することは出来ません。

またストレージにはキャッシュが搭載されているため、1GB程度ではキャッシュの影響が大きく実際よりも良い転送レートが出てしまいます。

例) 40M BWを1分収録した場合に必要とされるストレージ容量
50Msps x 4バイト = 100MB/sec x 60秒 = 約6GB

■平均レートしか表示されない

安定的な収録は、ムラがあってはいけません。
突然書き込みに時間がかかると、収録データ落ちが発生します。

ベンチマークソフトはある一定の容量のファイルを読み書きし、その経過時間から転送レート(MB/sec)を逆算し、そのストレージの能力として表示します。
この転送レートはあくまで読み書きにかかった時間の平均であるため、実際にはムラがあります。あるときは高速に書き込めるが、あるときは低速になってしまう場合などです。

が、一般的なベンチマークソフトでは平均転送レートだけしか表示されないため、ムラがどの程度あるか判断することが出来ません。

※SSDの残容量、搭載されているコントローラの善し悪し、ファームウェアの最適化具合などでムラが左右されます。同じメーカでもマーケティング的理由でファームウェアが調整されることがあるようです。
あくまでも噂ですが、ベンチマークソフトの結果次第でSSDの売れ行きが左右されてしまうため、高いシーケンシャルライト性能を出すように調整されることがあるようです。

■どのような方式(プログラミング)で行われているか不明

ベンチマークプログラム自体がLabVIEWで作られて同じ土俵で計測することが重要です。

多くのベンチマークソフトはベンチマーク内容がブラックボックスです。どのようなプログラミングでベンチマークが取得されているのか不明です。弊社でRFキャプチャーソフトはLabVIEWで開発いたしますので、ベンチマークプログラム自体がLabVIEWで作られて同じ土俵で計測することが重要です。

ドルフィンシステムが行うベンチマーク

ドルフィンシステムでは、一般的なベンチマークソフトでのベンチマークも行いますが、上記のような問題点があるため平行して自社開発したベンチマークソフトでベンチマークを取得し確実を期しています。

  1. ベンチマークソフトはLabVIEWで開発
  2. 複数の書き込みサイズ(128KB, 256KB, 1MB, 2MB, 4MB・・・)で計測を行う
  3. ストレージ全領域に渡り書き込みを行う
  4. 書き込み間隔をns単位で計測し、書き込みのムラがどの程度あるか計測する

上記の4点を守って計測を行うことで見えてくるSSDの性能・クセが出てきます。

まずはCrystalDiskMark&ATTO Diskbenchで取得します。
この2つを使用して全体の傾向を把握するとともに、弊社自作ベンチマークソフトとの乖離がないかを確認します。

CrystalDiskMarkとATTO Diskbenchmark

次に弊社自作ベンチマークソフトを使用して、各書き込み・読み込みブロックサイズでのレートを確認します。
このテストでは指定したサイズだけ読み書きを行い、最適な書き込みブロックサイズの選出と全体の傾向を把握します。

ブロックサイズベンチマークソフト

次に全領域書き込みベンチマークを行います。上記ベンチマークで選びだしたブロックサイズで最速の書き込みを行い、全領域に渡ってns単位の書き込み間隔とレートを測定します。

全領域書き込みベンチマークソフト

全領域書き込みを行ったSSDのプロパティ

これで完了です。

独自ベンチマークで見えてくるSSDのクセ

ドルフィンシステム独自ベンチマークで見えてくるSSDのクセをご紹介します。
紹介する3社のSSDですが、それぞれ傾向が違って興味深いものがあります。

A社製 512GB SSD, USB 3.0 接続

CrystalDiskMarkでは387MB/sのシーケンシャルライト性能が出ています。

A社製 CrystalDiskMarkベンチマーク結果

転送レート履歴を見ると、ストレージ全領域渡って300MBを下回ってはいるものの、とても安定しているように見えますが・・・

A社製 全領域転送レートグラフ

書き込み間隔はこの通り。時折とても大きな遅延時間が発生しています。また早い時と遅いときがあるのも気になります。

A社製 全領域書き込み間隔グラフRF収録ソフト側でキャッシュを多く取っておけば回避できそうですが、ばらつきがあるストレージは使いたくありません。

結果は、ストレージ全領域渡って書き込みを行ってみると292MB/s
CrystalDiskMarkの結果(387MB/s)とは100MB/sの程度差がついてしまいました。

B社製 512GB SSD, USB 3.0 接続

293MB/sでそこそこのスピード。全領域でこのレートが出ればまぁまぁの性能ですが。

B社製 CrystalDiskMarkベンチマーク結果

ですが、SSD領域の半分を書き込んだ時点から、なんとレートが半減してしまいました!
これはどうしたことでしょう?

B社製 全領域転送レートグラフ

細かくみていくと、
書き込み間隔が途中から倍の時間(≒転送レート半減)していることがおわかりになると思います。

B社製 全領域書き込み間隔グラフ

安価なUSBメモリの中には、高速なフラッシュメモリと低速なフラッシュメモリを実装し、使い始めは高速なフラッシュメモリチップを優先して使わせるものがあるそうです。
こうすることでベンチマーク性能をよく見せることが出来るようになります。
このSSDもそうなのでしょうか?

このSSDの全領域書き込んだベンチマーク結果は192MB/sです。293MB/sから100MB/sも低下

このようなSSDを選んでしまうと、
「収録を開始してしばらくは平気だけど、途中からデータ取りがうまくいかなくなる」
という一番やっかいな現象に見舞われます。

C社製 1TB SSD, USB 3.0 接続

ドルフィンシステムが選定し納品させて頂いているエース級SSD。
こちらをご覧ください。
CrystalDiskMarkでは414MB/sと高速。

C社製 CrystalDiskMarkベンチマーク結果

書き込みも全領域安定&高速書き込みを維持。

C社製 全領域転送レートグラフ

書き込み間隔も全然ブレがなく、ストレージ最後まで一定間隔で書き込みが行われており、安心して収録が出来ます。

C社製 全領域書き込み間隔グラフ

まとめ

このようにドルフィンシステムでは新しいSSDが発売されるとすぐに購入してベンチマークを取得し、お客様が安心してRF収録が出来るように体制を整えております。

お客様自身でSSDを選定し購入して使用することもできます。

ですが、
いったんトラブルが発生した場合、その原因を追究し改善する手間が必要になります。

一番恐ろしいのは、

一見問題なく収録できているが実はデータが落ちていた

という現象が発覚してしまうこと。

このような事が無いようにドルフィンシステムでは出来うる限り安心して安定的な収録を実現するために、時間と労力を費やしています。

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